オーディオエンジニアの一人部屋

毎日一人でコツコツオーディオの修理をしています。

TANNOY Autograph mini/GR転倒防止ボード製作

5月に納品させて頂いた静岡市S様のTANNOY Autograph mini/GR。

plodder.hatenablog.jp

形状が特殊なため設置がかなり不安定な機種になります。

納品時に応急措置として耐震マットをお付けいたし、耐震マットを付けて音楽を愉しんでおられました。

S様のブログにその様子が書かれています。

oneday71.hateblo.jp

 

納品時からご要望を頂いており、スピーカー底面にボードを敷き、底面のネジでボードとスピーカーを固定して設置面積を増やし転倒防止措置をする事にしました。

当初はボードを銅板と考えておりましたが、金額もかかる上に金属になるので加工も大変なため、スピーカーのエンクロージャーと同じウォルナットの無垢板でボードを製作する事にしました。

用意したウォルナットの無垢板は四辺250mm、厚さは30mmとしました。

四辺の面取りはテーパー加工にしてオイル塗装で発注。

木材探しと面取り加工と塗装は外注でお願いしました。

出来上がりまでに使用するネジと穴あけ用の治具を製作。

 

左が底面に付いているTANNOY純正のネジ、右が用意したステンレスのネジ。

純正のネジは鉄製、錆を考慮しステンレス製を用意いたしました。

ネジは直径5mm長さ45mm、板の厚みが30mmなので45mmだと少し短いので、穴あけ後にざぐりを入れて落とし穴を作ります。

 

穴の位置を決める治具

納品時にあらかじめ底面のネジの位置の型取りをしておきました。

 

S様に実機をお持ち頂き実測していきます。

写真はS様が撮影してくださいました。

 

治具の穴の位置と実機の穴の位置を確認。

若干修正しました。

 

位置決めをしていきます。

スピーカーは重心が前よりで前方に倒れやすいため、若干後ろ寄りの位置にしました。

 

位置決めをしてスピーカーを仮置きした状態。

 

センターだしをして正確に位置を決めていきます。

 

仮の穴をドリルであけます。

 

仮の穴をあけたら卓上型ボール盤で垂直に穴をあけていきます。

ハンドドリルだと厚みもあるため垂直に穴を通すのが難しいです。

ウォルナットはけっこう硬いです。

 

穴があきました。

 

全て穴をあけて貫通させたあと、ネジが届くようにざぐりを入れてネジの落とし穴加工をします。

 

全て落とし穴加工ができました。

 

ネジがしっかりとはまるか確認します。

 

確認できたら一気にネジ止めして完成です。

 

完成したTANNOY Autograph mini/GR。

ウォルナットの無垢板を使用したので違和感なく純正品のようです。

設置面積が大きくなり安定感は抜群になりました。

S様はこれで安心して寝れるとおっしゃっていました。

近年各地で大きい地震があるので心配になりますよね。

無垢板に固定した事により、今まで聴いていた音質より変わってくると思います。

S様も気にしていましたが、今後S様からの音質の変化などのご報告を待ちたいと思います。

 

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